柔軟なカスタマイズが可能な社内の業務管理ツールとして、「Kintone(キントーン)」が注目されています。

膨大なデータを管理できる、とても便利なツールである一方で、特定のデータの編集を制限したい場合があります。

例えば、レコード番号や顧客の情報などの重要なデータを間違って編集されないようにしたり、特定のユーザーのみが編集できるようにしたい場合です。

そこで今回は、特定のフィールドを編集できないようにする方法を詳しく説明します。

方法1:アプリ上でフィールドの権限を設定する

Kintoneには、フィールドごとに閲覧する権限と編集する権限を設定する標準機能があります。この機能を利用することによって、特定のユーザーやグループにフィールドを編集できないように設定することが可能になります。

手順

(1)編集権限の設定をしたいアプリを開き、画面右上の「歯車」のアイコンをクリックします。

(2)アプリの設定タブに移り、「フィールドのアクセス権」のボタンをクリックします。

(3)①フィールド、②ユーザー/組織/グループ、③許可する操作の選択をして保存して、アプリを更新します。

(4)アプリに戻り、フィールドが制限されているか確認します。

 

方法2:Javascriptカスタマイズを利用する

先ほどは標準機能で特定のフィールドを編集できないようにしましたが、Javascriptを用いるとさらに細かいカスタマイズをすることが可能です。標準機能ではできない、他のフィールドの値によって編集可・不可にできるような、より柔軟な設定が行えます。

今回は例として、雇用区分の値によって編集可・不可にするようなコードを書きました。

手順

(1)まずは、Javascriptファイルを作成して以下のコードを書きます。

(() => {
    'use strict';

    // 雇用区分フィールドの変更イベントに対応するハンドラを設定
    kintone.events.on(['app.record.create.change.雇用区分', 'app.record.edit.change.雇用区分'], (event) => {
        const record = event.record; // レコードオブジェクトを取得
        
        // 雇用区分が正社員の場合、有給日数フィールドを編集可能にする
        if (record.雇用区分.value == '正社員') {
            record.有給日数.disabled = false;
        } else { // それ以外の場合は有給日数フィールドを編集不可にする
            record.有給日数.disabled = true;
        }
        return event; // イベントオブジェクトを返す
    });

})();

(2)次にKintoneにJavascriptファイルをアップロードします。

  • 編集権限を設定したいアプリを開き、設定ボタンから「JavaScript/CSSでカスタマイズ」を選択します。

・作成したJavascriptファイルを選択して、アップロードします。(*スマホ版でも適用したければ、スマートフォン用のJavaScript / CSSファイルにアップロードします。)

(3)アプリに戻り、フィールドが制限されているか確認する。

 

まとめ

Kintoneは、データを効率的に管理するためのツールですが、特定のデータの編集を制限して確保することも重要です。この記事では、Kintoneで特定のフィールドを編集できないようにする2つの方法を紹介しました。

方法1では、アプリ上でフィールドの権限を設定する方法を説明しました。この方法は、特定のユーザーやグループに対してフィールドの編集権限を簡単に設定できるため、直感的で手軽に利用できます。

方法2では、JavaScriptカスタマイズを利用する方法を紹介しました。この方法では、他のフィールドの値によってフィールドの編集可否を柔軟に設定することができ、より高度なカスタマイズが可能です。

どちらの方法も、Kintoneの機能を活用して、データの誤編集を防ぎ、重要な情報を保護するために有効です。用途やニーズに応じて適切な方法を選び、Kintoneをさらに効果的に活用してください。

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