皆さん、失業手当はいつから申請しておくべきかご存知でしょうか?
昨今、退職と転職を繰り返すことは、一般的な世の中になってきています。

そんな中、退職の際どうしても切っても切れなくなってくるのが退職届、年金、失業手当などの書類関係です。

なので今回は、退職までにやっておくべきこと、退職後に必要な公的手続き……など、退職に伴って発生する手続きをご紹介します。「退職直前までバタバタして職場に迷惑をかけてしまった」「必要書類が手元にない!」「保険や年金ってどうするの?」という状況に陥らないよう、どういった準備が必要か、いつごろから準備が必要か、をお話しします。

退職にあたって、どんな手続きが必要?

では実際に、どのような手続きをしておけばよいを説明していきます。

会社内での手続きについて(退職届提出/備品返却・書類受取)

退職日までに会社内で行なうべき手続きは、主にふたつ。「退職届提出」と「備品返却・書類受取」です。退職届は、一般的に上司に退職の意向を伝え、退職日を確定させたあと、退職1ヶ月~2週間前に提出する書類です。

会社指定のフォーマットがある場合はそちらに沿って作成。特に指定がない場合はインターネットなどにあがっている参考書式をもとに作成しましょう。もうひとつが、退職日当日に発生する備品返却と必要書類の受領です。

上記については、会社との円満退職のため、もれなく行いましょう。

公的な手続きについて(保険・年金・税金など)

公的な手続きが必要になってくるのは、主に退職してから転職活動をする方になります。というのも、会社を退職すると、健康保険や厚生年金保険の被保険者資格を喪失することになるためです。そこで、退職後にはこれらの加入手続きを退職者自身で行なう必要が出てきます。具体的には「失業保険の給付手続き」「健康保険の変更手続き」「年金の種別変更手続き」「税金の支払い手続き」が必要です。以下で各手続きの詳細をご紹介していきます。

失業保険の給付手続き

失業給付金というものは誰でも自動的に受け取れるものではありません。ハローワークに求職の申請をした上、規定の条件を満たさないと受給することはできません。

その条件とは「失業状態であること」「退職日以前の2年間に雇用保険加入期間が通算12ヶ月以上あること」「ハローワークに求職の申し込みをしていること」の3点になります。

提出期間日 離職票が交付され次第、できるだけ早めに対応が必要
提出先・場所 居住地を管轄するハローワーク
準備物・提出物 ・雇用保険被保険者証
・離職票1
・離職票2
・身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・印鑑
・写真2枚(直近3ヶ月以内、縦3cm×横2.5cm)
・本人名義の普通預金通帳

失業保険の給付額は、退職理由(自己都合の退職か、会社都合の退職か)のほか、退職前6ヶ月間の賃金によって異なります。以下が給付までの具体的な流れです。

  1. ハローワークで求職の申し込みと離職票の提出
  2. 7日間の待機期間
  3. 雇用保険受給説明会と失業認定日に出席
  4. 1週間程度で初給付
  5. 以降は4週間に一度の書類申請と面談を実施。その後約1週間程度で給付 

健康保険の変更手続き

退職後には通常、以下の3つから選択することとなります。いずれも医療費の一部負担金は3割となります。保険料や手続きの方法・場所、提出書類などが異なりますので注意してください。

それまで加入していた健康保険の任意継続被保険者制度を利用する場合

提出期間日 退職してから20日以内
提出先・場所 会社または健康保険組合(郵送でもOK)
準備物・提出物 ・健康保険任意継続被保険者資格取得申出書
・住民票
・1ヶ分の保険料
・印鑑

国民健康保険に加入する場合

提出期間日 退職してから14日以内
提出先・場所 居住地の市区町村役所の健康保険窓口
準備物・提出物 ・健康保険資格喪失証明書
・各市町村で定められた届出書
・身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・印鑑

家族の扶養に入る場合

提出期間日 できるだけ早く
提出先・場所 家族の勤務先
準備物・提出物 ・世帯全員の住民票(被保険者と別姓の場合)
・源泉徴収票
・退職証明書または離職票のコピー
・失業保険や年金を受給している場合は、受領金額のわかるもののコピー

上記3つのパターンで、状況に応じて対応をしましょう。

年金の種別変更手続き

20歳から60歳までの国民は、国民年金の被保険者になります。在職中は自動的に天引きされていましたが、失業期間中は国民年金へ加入して支払っていく必要があります。

国民年金の被保険者には「第1号被保険者~第3号被保険者」の3種類があり、会社に勤務している間は第2号被保険者となりますが、退職をすると「第1号被保険者」または「第3号被保険者」 に種別変更をする必要があります。通常は「第1号被保険者」となりますが、条件を満たせば国民年金保険料が不要の「第3号被保険者」になることも可能です。

第1号被保険者に切り替える場合

提出期間日 退職してから14日以内
提出先・場所 居住地の市町村役場
準備物・提出物 ・年金手帳
・離職票または退職証明書
・身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
・印鑑

第3号被保険者に切り替える場合

提出期間日 できるだけ早く
提出先・場所 家族の勤務先
準備物・提出物 ・国民年金第3号被保険者該当届
・世帯全員の住民票(被保険者と別姓の場合)
・源泉徴収票
・退職証明書または離職票のコピー
・失業保険や年金を受給している場合は、受領金額のわかるもののコピー

こちらに関しては、自身の定年後の給付される年金額に影響もありますので、確認し漏れなく手続きを行いましょう。

住民税の支払い手続き

対応方法は退職月によって異なります。ただし、転職先が決まっている場合は新しい会社で特別徴収を継続することができるので、企業間(退職する会社と転職する会社)で手続きをとってもらえば問題ありません。もし依頼するのが難しい場合は、自ら退職する企業で「退職に伴う普通徴収への切り替え」をし、転職する企業で「特別徴収への切り替え」を行なうようにしましょう。

6~12月に退職した場合

退職月分の住民税は天引きされますが、以降の分は自分で納めることになります(=普通徴収)。その場合は退職する企業で、「退職に伴う普通徴収への切り替え」を行なってもらいましょう。納付方法としては、一括か分割かどちらかを選ぶことができるので、ご自身の“懐事情”と相談しながら決めてください。

1~5月に退職した場合

前々年の住民税(5月までの分)を一括で天引きされることになります。3月に退職した場合は、3月~5月分を、1月に退職した場合は、1月~5月分が一括で納付されることになるのです。手取りの給与額が毎月のものより少なくなることが多いので、事前に確認するようにしましょう。

退職手続きをスムーズに進めるためのポイント

退職にあたって、様々な手続きが必要になってくるかと思います。

そこで最も大事な点はスケジュールを立てることです。

「手続きに行くのが面倒だ」「手続きに時間を割いてられない」と思う方も多いでしょう。

ですが、退職後直ぐに申請をしないと手続きが遅れたり、遅れてしまい余計に手間がかかってしまうものもありますので、必ずこまめに確認し、余裕を持って進めていきましょう!

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は転職、退職にあたってよりスムーズに転職活動を進めていくための準備にあたる、手続きに必要なものをご紹介させていただきました。

転職は必ず必要かと聞かれると、そうではないかもしれません。

ですが、会社での人間関係、パワハラやセクハラ、自身や家族の状況などでやむおえず退職をするという決断に至る場面が出てくるかもしれません。

そんな時、手続きに時間をとられぬよう、こちらをご活用いただき、少しでも円滑に手続きを進めていきましょう!