採用面接で主流になってきているのがWeb面接です。
これまで遠方の応募者の選考で一部用いられてはいましたが、昨今の新型コロナウィルスの感染拡大により、2020年以降、一気に採用面接で取り入れられました。

本記事では、現役の転職エージェント監修のもと、Web面接のマナー・ポイントについて詳しく解説していきます。

 

 

Web面接の事前準備

機材を準備する

デバイス(PC、タブレット、スマートフォン)

Web面接を受けるためには、デジタルデバイスが必要です。インターネットに接続できる機器であればPC、タブレット、スマートフォンどれでも構いません。
ただ、画面サイズが大きい方が相手の表情もよく見え、面接が行いやすいため、可能であればPCやタブレットを使用しましょう。
スマートフォンでももちろん可能です。ただし、その場合は、面接途中で画面が揺れたり、倒れたりしないように、しっかり端末を固定しておきましょう。

マイク・イヤホン

WEB面接でイヤホンをつけるのは失礼か?

このような質問をインターネット上でたまにかけますが、全く問題ないと考えます。WEB面接では機器の不調やインターネット環境によって音声が聞こえづらくなるケースがときおり発生します。面接をスムーズに行うための準備ですので、気にせず使用しましょう。
機器の内蔵マイクをそのまま使用しても問題ありません。音声が聞こえづらい、相手に声が届きづらい等が発生した際には、柔軟に切り替えられるようにしましょう。

※Bluetooth(ワイヤレス)イヤホンでも問題ありませんが、接続や音声が安定しない場合もあるため、有線のマイク付きイヤホンの方がオススメです。
※極端に大きなヘッドセットやあまりに派手なものは、目立ちすぎて本来のあなたの印象を損なうため、あまりオススメしません。

場所・背景を決める

面接場所

静かな落ち着いた場所で面接を受けましょう。自宅で受けるのがベストです。逆に、カフェや個室ではないオープンスペースは、周りの声が入ったり、人が映りこんだりするのでNGです。
面接では企業の秘密情報をお話されることもあるでしょう。そういった意味でも、誰が見て、誰が聞いているか分からない環境は必ず避けましょう。

背景

極力、物や人が映りこまないように注意してください。自分の後ろを壁側にして、できるだけスッキリさせると綺麗に見えます。

また、WEB面接に使用するツールはバーチャル背景を設定できるものがほとんどです。周辺環境の理由で、やむなくバーチャル背景を使用することは問題ありませんが、不自然にならないよう、「ぼかし」程度が無難です。

使用ツールの準備と動作確認を行う

Web面接で使用される代表的なツールには、『Zoom』『Google Meet』『Skype』『Microsoft Teams』などがあります。

Web面接当日までに企業から事前案内があるはずです。面接で使用するツールや、URL、パスワード等が案内されるので、事前に操作手順や通信状況を確認しておきます。

特に、アプリのインストールが必要なツールでは、カメラが映らない、音声が聞こえない、ということがよく起こります。
設定で、アクセス許可や権限が正しく割り振られているか確認しておきましょう。
また、プロフィール画像やアカウント名(ユーザー名)がプライベートのものになっている場合は、面接に適したものに戻すことも忘れないようにしましょう。

これらを踏まえて、Web面接前日までにツールを起動し、映像・音声に問題がないかを必ず確認しておきましょう。

Web面接当日の流れ~押さえるべきマナーとポイント~

身だしなみを整える

上下ともに面接にふさわしい服装で臨みましょう。特に指定がなければ、男性は上下スーツに、Yシャツ、ネクタイ。女性はスーツ、Yシャツやカットソーがベターです。

Web面接でも対面面接でも、考え方は同じです。Web面接の場合、自宅で手軽に受けられるが故に、気を抜いてしまいがちですが、「初対面で企業様と面談する」と考えたときに、ビジネスパーソンとしてどう在るべきかを意識してみてください。
間違っても、上はスーツを着用しているけれど、下は部屋着のまま、といったことはないようにしてくださいね。

面接に必要ないアプリ、ソフトを非通知に設定する

面接の最中に、関係のない音やバイブレーションが鳴らないよう、面接に必要のないアプリやソフトの通知設定はOFFにしておきましょう。不必要なアプリ、ソフト、ブラウザなどはログアウトし、終了しておくことをオススメします。

ただ、何かトラブルがあった場合に、企業担当者様から電話連絡が来ることもあるかもしれません。定刻までは手元のスマートフォンはサイレントマナーモードにしておくなど、最低限の連絡は取れる状態にしておいても良いでしょう。

面接5分前には接続し、待機する

事前に案内されているURLやIDに、こちらから接続する必要がある場合、面接5分前には準備を済ませ接続し、待機しておきましょう。

Web面接の場合、インターネットの接続不調や映像、音声トラブルなど何かしらの不具合が発生する可能性があります。開始ギリギリになって不具合に気づいても手遅れです。少し早めに準備を整え、余裕を持って待機しておきましょう。
※面接官にもその日のスケジュールがあるため、開始の10分以上前から待機する必要はありません。

プラスα:カメラと目線の高さを同じにする

PCやスマートフォンを机に置くと、カメラの位置が低くなり、面接官を上から見下ろすアングルになってしまいます。これだと見え方がよくないため、スタンドを使ったり、下に本を何冊か敷いたりすることで、できるだけカメラと目線の高さが同じになるようにしましょう!

面接中に意識することは?

口角を上げ、明るい表情で

画面越しでは対面面接と違い、どうしても表情が分かりづらかったり、雰囲気が伝わりづらかったりします。そのため、少しでも良い印象を与えるために、面接中は少し口角を上げ、明るい表情で臨みましょう。
WEB面接の利点のひとつは自分がどう映っているかを確認できることです。画面に映る自分を客観的に見て、面接官にどう映っているのかを意識しながら表情を作ってみてください。

はっきり、ゆっくり、大きな声で

対面で話すときには感じられる空気感や雰囲気、間、抑揚、感情といったものがWEB面接では伝わりづらくなります。少しでも相手に声を聞き取ってもらいやすくするため、対面で話をするときより、はっきり、ゆっくり、大きな声で話すようにしましょう。

ジェスチャーや相槌を意識

ジェスチャーや相槌も意識して行いましょう。横の動作ではなく、縦の動作を行うことがポイントです。
横揺れしてしまうと落ち着きがないように見えたり、画面から見切れたりしてしまい、印象は良くありません。逆に、縦の頷きや、ジェスチャーで少しカメラに近づくような動作を行うと、画面に立体感が生まれ、印象に残りやすくなります。

相手と目を合わせるには、カメラ目線

これは慣れていないと見落としがちですが、Web面接ではカメラを見ることで、面接官はあなたと目が合っているように見えます。面接中ずっとカメラ目線である必要はありませんが、自分が話しているときはカメラ目線を意識してみてください。面接官が話しているときや、面接官の反応を確かめたいときは、画面の面接官の顔を見てOKです。

相手の表情やリアクションを汲み取る

Web面接では、通信状況によってライムラグや音声が途切れてしまう場合があります。自分が話しているときは、相手の表情やリアクションにも注意を払いましょう。もし相手が聞こえづらそうな表情をしていれば声を大きくしたり、言い直したりすることもできます。
一方的に話すのではなく、相手の表情を汲み取って、「伝わっているか」を意識しましょう。

面接終了

面接官から面接終了の旨を伝えられます。対面面接では立って挨拶しますが、Web面接ではその必要はありません。「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。失礼いたします。(⇒軽く一礼)」と、その場で座ったまま御礼の挨拶・会釈を行い、Web面接ツールを終了(退出)しましょう。
電話対応の場合と同様に、特に指示がなければ、企業側の接続終了を待つのが基本マナーです。面接官から接続終了を促されたときは、「それでは失礼いたします。」と念のためひと声かけたうえで、接続を切りましょう。

トラブル対応/よくあるQA

Q. ネットが繋がらない?PCが故障した?指定されたURLが開けない?

不具合が発生してしまったら仕方ありませんが、できるだけ時間の余裕を持って面接開始15分前までには接続できる準備を整えましょう。面接開始までに余裕があれば、代替機(PC⇒スマートフォン等)の使用を検討し、それでも難しそうであれば、必ず面接開始前に企業の人事担当者や(エージェント利用の場合)転職エージェントの緊急連絡先に電話し、謝罪して事情を説明しましょう。その後は指示に従ってください。

Q. 音声が聞こえない!映像が映らない!

事前準備が重要です。面接より前に必ずテスト接続や起動確認を行い、映像・音声に問題がないことを確認しましょう。アクセス許可や権限が正しく設定されているかを確認してみてください。
カメラは映っているけれど、声だけ聞こえず、直らないという場合には、Web面接ツールはそのままに、「お電話してもよろしいでしょうか?」と電話に切り替えるのも一つの手です。マイクと音声を切ることで、映像はWEB面接ツール、音声は電話で行うイメージです。

Q. 自宅以外で面接を受けてもいいですか?

問題ありません。ただ、周囲に人のいない静かな落ち着いた場所を準備しましょう。あまり良くはありませんが、どうしても都合上、車内などになってしまう場合は、面接前に事情を伝えること、そして、開始後も、自分から「このような場所で申し訳ございません。」とひと言断りを入れてから面接を始めるようにしましょう。

Q. アプリの通知や着信があった場合どうすればいいですか?

事前に通知OFFにし、音が鳴らないようにしておくことが基本ですが、もし鳴ってしまった場合には、ただちに謝罪し、音を止めましょう。起こってしまったことは仕方ありませんので、焦らず真摯に対応しましょう。

Q. 面接を録音・録画してもいいですか?

原則NGです。事前に許可を取ればいいという訳でもありませんので、やめておきましょう。

Q. 面接中、頭が真っ白に!カンペは見てもいいですか?

こっそり用意しておく分には大丈夫でしょう。ただ、印刷したものを手元に置いて、それを読み上げるようだと、視線が画面から切れてしまいますし、棒読みにもなってしまい不自然です。
PCの場合、付箋機能やメモ帳ツールを起動し、画面上に表示させておくのが良いでしょう。キーワードを書き出しておくくらいに留めておきましょう。

Q. 途中で切れて終了してしまった場合、どうすればいいですか?

すぐに再接続を試みて、それでも繋がらない場合、必ず自分から企業の緊急連絡先に電話しましょう。その後は面接官の指示に従ってください。

Q. 面接開始に遅れそうな場合、どうしたらいいですか?

必ず面接開始前に企業の人事担当者や(エージェント利用の場合)転職エージェントの緊急連絡先に電話し、謝罪して事情を説明しましょう。
連絡もなく、遅刻することは社会人としてあってはなりません。数分の遅刻があなたの印象を大きく下げてしまいますので、必ず事前に連絡は入れましょう。

まとめ

今回はWEB面接のマナー・ポイントについて説明してきました。Web面接でも対面面接でも、本質的な取り組み方や質問内容は変わりません。

企業はあなたが、「どのような人間性なのか、自社で活躍し得る人材なのか」を確認したいと考えますし、あなたも、実際に面接官と話して会社の雰囲気を掴みたいと思うことでしょう。

Web面接では画面から得られる情報、伝わる情報が全てです。一挙手一投足に注意し、100%のパフォーマンスを発揮できるよう、しっかり対策していきましょう!