Amazon S3（Amazon Simple Storage Service）は、Amazon Web Service（AWS）が提供するオブジェクトストレージサービスです。

そもそもAWSって何？という方はまずはこちらをご覧ください。

Amazon S3を使用することにより、ストレージのディスク管理や冗長化などを考慮する必要がなくなるため、エンジニアは本来の開発業務に専念することができます。

主に、Webサイトやアプリケーションのデータバックアップ及び復元、アーカイブなどの様々な用途で利用します。

Amazon S3の用語

バケット

バケットとは、S3内のファイルを管理するストレージを表します。

バケットはファイルシステムのフォルダに似ていますが、S3内で一意の名前を持ち、全世界で唯一無二のものになっています。

また、Amazon S3で許容されるバケットの最大数は100になります。

オブジェクト

バケット内の個々のファイルが「オブジェクト」として格納されます。

オブジェクトはデータ本体とメタデータ（データに関する情報）から構成されます。

最大5TBのサイズまでサポートされています。

Amazon S3のメリット

高い耐久性と可用性

Amazon S3はデータを自動的に複数の物理的な場所に分散して保存します。これにより、99.999999999%（11 9’s）の耐久性を実現し、データの損失リスクを極めて低く保ちます。

また、高いレベルのオペレーション上の可用性も提供し、データセンターの障害や自然災害などの状況下でもデータへのアクセスを維持する設計から、データへのアクセスがいつでも可能となっています。

スケーラビリティと柔軟性

さまざまなデータストレージニースに合わせて、ストレージクラスを選択できます。以下が代表的なストレージクラスです。

・Amazon S3 Standard
一般的なオブジェクトストレージで、高頻度でアクセスされるデータや動的なウェブサイトのコンテンツなどに適しています。高い耐久性と可用性を提供し、データは複数のアベイラビリティゾーンに保存されます。

・Amazon S3 One Zone-Infrequent Access (S3 One Zone-IA)
頻繁にアクセスされないデータで、耐久性よりもコストを重視するケースに適しています。
また、データは単一のアベイラビリティゾーンにのみ保存され、Standartdよりも低コストですが、ゾーンが失われた場合にデータも失われるリスクがあります。

・Amazon S3 Intelligent-Tiering
アクセスパターンが不定期または不明確なデータに最適です。
アクセス頻度に基づいて自動的にデータを最適なストレージクラスに移動します。これにより、コストを節約しつつ、パフォーマンスは維持されます。

・Amazon S3 Glacier
長期アーカイブやバックアップに適しており、数ヶ月から数年にわたってアクセスされないデータに用いられます。低コストで長期間のデータ保存が可能ですが、データの取得に時間がかかります（数分から数時間）。

・Amazon S3 Glacier Deep Archive
非常に長期間にわたって保持する必要があるが、ほとんどアクセスされないデータに最適です。
また、Amazon S3の中で最も低コストで、長期間のデータ保存に適していますが、データ取得には12時間以上かかる場合があります。

コスト効率

Amazon S3は、使用したストレージの量に応じて課金されます。これによって、必要なストレージ容量のみに対して支払いを行うことができ、未使用のストレージに対してのコストが発生しません。

また、S3は様々なストレージクラスを提供しており、これらのクラスは使用状況に応じたコスト効率を提供します。

また、データの転送（AWSの他のリージョンやインターネットへの転送）とS3へのリクエストに対しても料金がかかります。

セキュリティとコンプライアンス

強固なセキュリティ機能を備えており、データの暗号化・アクセス制御・監査対応機能などがあります。

また、多くの業界標準とコンプライアンス要件に対応しているため、企業や規制が厳しい環境でも安心して利用することができます。

Amazon S3を利用する上での注意点

コスト管理

S3の料金体系は複雑であり、予想外のデータ転送料金やリクエスト料金が発生することがあります。特に大量のデータを頻繁に移動する場合、料金が高額になる可能性があります。

データの使用量とアクセス頻度を正確に予測し、最適なストレージクラスを選択する必要があります。

セキュリティとアクセス管理

S3のセキュリティは強固ですが、適切なアクセス権限の設定やデータの暗号化はユーザー側の責任です。誤った設定はデータ漏洩のリスクを招きます。

セキュリティポリシーを適切に設定し、定期的に見直すことが重要です。

まとめ

Amazon S3は、その高い可用性、耐久性、セキュリティ、そしてコスト効率により、さまざまなビジネスニーズに対応できる強力なストレージソリューションです。

しかし、コスト管理、データ管理、セキュリティ設定、パフォーマンスの最適化などの面で注意が必要です。これらの側面を考慮し、適切に管理することで、Amazon S3はビジネスのデータストレージ要件に対して高い価値を提供します。

 

より詳細にAmazon S3について知りたい方は、公式ドキュメントを参考にしてください。
https://aws.amazon.com/jp/s3/