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― ブランドの印象を統一するためのデザイン設計 ―
Webサイトの印象は、最初の数秒で決まると言われています。
ユーザーが感じ取るのは、単なる色やレイアウトではなくサイト全体が持つ「雰囲気」や「印象」です。
それを形作るのが トーン&マナー(Tone & Manner)。
デザインや言葉遣い・写真のテイストなど、あらゆる要素の方向性を決めることで、ブランドの世界観を一貫して伝えるための指針です。
この記事では、トーン&マナーをどのように設定し、サイト全体に落とし込んでいくかを、実践的な視点で解説します!
1. トーン&マナーとは何か
「トーン」は“声の調子”や“雰囲気”を意味し、ブランドやサービスの性格を表す方向性のこと。
「マナー」は“ふるまい方”を指し、ユーザーに対してどのように見せ、伝えるかという具体的な表現ルールを指します。
例えば、同じ「化粧品サイト」でも、
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若年層向け:明るく軽やか・ポップで親しみやすいトーン
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高級ブランド:静かで洗練された・上品で余白を活かしたマナー
といったように、トーン&マナーの違いによって印象が大きく変わります。
つまり、ブランドの「らしさ」を定義するのがトーン&マナーです。
2. 設定の第一歩は「ブランドの性格を言語化する」

トーン&マナーを決める前に、まず行うことは「ブランドの性格を明確にする」こと。
抽象的でも構いません。次の内容を整理してみましょう。
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このブランドはどんな価値観を持っているか?
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どんなお客様に好かれたいか?
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一言で表すと、どんな印象を与えたいか?
ここで有効なのが「形容詞ワーク」です。
たとえば「落ち着いた」「信頼できる」「かわいらしい」「挑戦的」「自然体」などの言葉を並べ、
そこから3〜5個に絞り込むと、トーンの軸が見えてきます。
この段階でチーム全員の認識を合わせておくことが、後のデザインのブレを防ぐポイントです。
3. 見た目に落とし込む ― 色・フォント・写真の統一
ブランドの性格が定まったら、それを視覚的に表現していきます。
ここでは3つの主要要素に注目します。
色(Color)

色は感情を最も直接的に伝える要素です。
例えば「誠実・信頼」なら青系、「上品・高級」なら黒やベージュ、「親近感・元気」ならオレンジや黄など。
配色パターンを明確に決め、アクセントカラーの使いすぎを避けることで統一感が生まれます。
フォント(Typography)

フォントは“声のトーン”を決める重要な要素。
角が丸いフォントは柔らかく親しみやすい印象、セリフ体は高級感や知的さを演出します。
本文・見出し・ボタンなど、使用フォントのルールを文書化しておくと良いです。
写真・ビジュアル(Imagery)

写真のテイストもトーン&マナーを左右します。
例えば「ナチュラル」を目指すなら自然光で柔らかいトーン、「モダン」ならコントラストを強く。
同じ被写体でも光や構図で雰囲気は大きく変わるため、撮影指示書や素材選定基準を作るとブレにくくなります。
4. 言葉遣いのマナーを統一する
トーン&マナーは見た目だけではなく、「言葉」も重要です。
コピーやボタン文言、説明文のトーンが統一されていると、サイト全体の印象が整います。
例えば
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親しみやすさを出したい → 「〜してみよう」「いますぐチェック」など柔らかい語尾
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信頼感・専門性を出したい → 「〜をご確認ください」「〜について詳しく解説します」など丁寧な文体
トーンに合わせて「敬語レベル」「主語の使い方」「語尾表現」などを決めておくと、ライターが複数いても統一感が保てます。
5. デザインガイドラインとして可視化する

設定したトーン&マナーは、頭の中に置いておくだけでは機能しません。
チームで共有できるように「ブランドガイドライン」や「デザインガイド」としてまとめておきましょう。
記載すべき項目の例:
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ブランドのビジョン・ミッション
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トーンを表すキーワード
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カラーパレットと使用ルール
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使用フォント・文字サイズ
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写真のトーン、撮影指針
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コピーライティングのルール例
制作メンバーが増えても、誰が作っても同じ世界観を維持できるのが理想です。
6. まとめ:トーン&マナーは“ブランドの人格”
トーン&マナーを決めることは、サイトに人格を与えることに近いです。
デザイン・言葉・写真など、どんな表現にも「そのブランドらしさ」が滲み出るようにすることで、
ユーザーの記憶に残るブランド体験が生まれます。
最初にしっかり軸を定め、チームで共有し、運用の中で少しずつ磨き上げていく。
それが、長く愛されるWebサイトを育てるための第一歩となります!


