今回の記事では、私たちが転職のお手伝いをしてきている中で、多くの方が転職理由として挙げる項目について整理し、面接での伝え方まで解説させていただきます。

よくある転職理由とは?

転職を考える方は『もっと新しい仕事にチャレンジしたい』『自分の今までの経験を活かして、○○で活躍したい』などポジティブな転職理由から転職を考えられる人もいれば、ネガティブな理由から転職を考える人も多くいます。特に20代前半や第二新卒の方の転職では、ネガティブな理由からの転職が多い傾向にあります。

実際にネガティブな転職理由として、どんな転職理由があるか見ていきましょう。

労働環境や時間が不満だった

労働環境や勤務時間についての不満を抱え、転職を決意する方は非常に多くいます。労働環境や長い勤務時間により、最初はやる気があっても体がついていかないというような状況になってしまっている方も多く見受けられます。

例えば、不動産業界などの新規顧客に向けた営業などでは、会社によりますが残業時間が100時間を超え、休日も出勤をしているような方もいらっしゃいます。
またそのような業界は労働環境が過酷なことに加えて、成功体験を積みづらいというようなケースもあります。新人として入社して、いきなり実績を上げるには難しく、達成感を得ることができない状況で過酷な勤務状況が続くと心が悲鳴を上げる方も出てくることでしょう。

他には、面接のときは『忙しいのは年間に数か月くらいで、基本的には残業もなく定時には帰れる』と話を聞いて入社したものの、実際に働いてみると仕事は定時に終わることはなく、毎日終電コース。定時までは営業活動をしており、見込み客のリスト作りやロープレ、会議などはすべて、勤務時間外に実施。当然のように帰れるわけもありません。上司に面接のときに聞いた話と話が違うと言うと、『君の仕事が遅いから』と指摘されるだけ…

このようにいわゆる『ブラック企業』は今もなお多く存在します。

給料が低い

単純に給料が低いという理由で転職を考える方も多く見受けられます。ただこのような方は要注意です。なぜなら『転職したら給与が上がる』と思い込んでいるからです。もちろん給与が上がる転職も多くありますし、実際に大幅に年収が上がる方もいます。

しかし年収が下がってしまう方も多くいるのが現状で、『転職』=『給与が上がる』ではありません。

同じ業界・職種から、その能力を活かして(次の会社から評価されて)転職するケースは上がる可能性がありますが、第二新卒や20代の方の転職は未経験で、初めての業界・職種にチャレンジする場合も多いです。
業界によって、給与の水準はバラバラであり、当然いまの年収より下がる可能性もしっかり頭に入れておかないといけません。

人間関係がうまくいっていない

これはもっとも多いと言っても過言ではない転職理由だと思います。

  • 上司や社長の考え方が合わない
  • 先輩や同期と仲良くできない
  • 女性ばっかの職場で、顔色をうかがうのに疲れた
  • 上司からセクハラをされた
  • パワハラ・モラハラなど・・・

このように人間関係でのトラブルは非常に多いです。そして解決が難しく、転職をしないと解決できない状況(逃げないといけない状況)のケースが多いです。
特に上司とのトラブルに関しては、あなたがどう改善しようが上司の考え、行動が変わらなければどうしようもありません。しかもあなたを評価するのは、その上司です。

何事も自責に捉え、自分自身でアクションを行くのは大前提です。ただし、どうにも解決しない場合は、一刻も早く転職をした方がいいと考えます。『あの上司さえいなければ』『部署を移動させてもらえれば』と考える方もいるかもしれませんが、その上司を評価し、役職のポジションに置いているのは会社の方針です。

そのような会社では、ほかの上司や別の部署も同じような管理職がいる可能性も高く、貴重なあなたの時間がどんどん奪われてしまいます。

面接では転職理由をどう伝えたらいいのか?

転職活動中の皆さまは様々な理由で、転職を決意して面接に臨んでいると思いますが、実際に面接ではどのように伝えるべきでしょうか?

基本的には正直に伝えて問題ありませんが、いくつかポイントをお伝えしたいと思います。

ネガティブな印象にならないよう注意

いろんな転職理由があると思います。ただ、愚痴をこぼすように話すのはNGです。なるべくポジティブに、『○○の理由から転職を考えましたが、これからは○○として成長して活躍したい』と将来を考えたうえでの転職ということを伝えましょう。

ネガティブな転職理由を伝えても問題ありませんが、悪い話には必ず、枕言葉をつけましょう。
※枕言葉の例:「お恥ずかしい話ですが~~」、「当時は若気の至りもあり~~」、「今となっては大変反省していますが~~」等

将来(未来)の話をしよう

採用担当者は、転職理由から自社における組織適応力、ストレス耐性、キャリアプラン等をチェックしています。

例えば「人間関係がうまくいかず辞めた」という回答から、自社でも同様の問題が起きる可能性を懸念します。ネガティブな理由で辞めた場合でも、そのことをきっかけに現在はポジティブに将来を考え転職活動を行っているといった回答をしましょう

多くの面接官は「~が嫌だから辞めた」という転職理由ではなく、「~を実現したいから辞めた」という転職理由を評価します。業績不振や倒産等の不本意な退職であっても、だからこそ働くことを真剣に考えて、今の応募企業と巡り合えたといったポジティブな回答を考えましょう。

まとめ

転職理由は人それぞれだと思いますが、少なからずネガティブ要因もあることでしょう。面接官は採用のプロです。「キャリアアップしたかったからです」という上辺だけの回答や、あまりにも他責傾向の回答では、「この人はきっと当社に入社してもすぐ辞めてしまう」と思われてしまいます。

今回の記事を参考に、改めて自らを省みて、そして、伝え方も工夫して、面接の質を上げていってください。皆さまの転職活動に少しでもプラスになれば幸いです。